「作文を描く」という、誰にでも気軽にできる単純な事象。
しかし、そこから生まれ得る波及効果には、枚挙にいとまがありません。
作文を書いていくと、何を書こうか、どう表現していこうかと悩みます。
しかしそのことが自然と「思考力」を鍛え養生しています。
どんなことを書こうか……日々の日常での観察力も上がることでしょう。
それは、何をどう描こうという構想力を磨いていることに他なりません。
五感を注ぎ込む作文の技術によって、何をどう表現するかが変わっていくのですが、
その過程で表現力や想像力、創造力を、意識的かつ無意識的に動員していくことでしょう。
「実際に書く」ことを通して増していく表現力が、日常生活にどう響き得るかも想像してみましょう。
声による日常のコミュニケーションでも表現のしくみは変わりませんので、そのまま応用していけば作文同様、日常
でも人に感動や実感をより伝えやすくなることでしょう。
また、作文の力は小説などの読書にも影響を与えます。
これまでは作品を読んで「面白かった」「つまらなかった」などの感想をもって終わっていたかもしれません。
しかし作文をやると「何がどう描かれているのか」という技術視点が増えますので、同じ読書でも人よりも何倍も得
るものが多くなり、それらを自分の作品に応用させていけるようにさえなり得ます。
そういった中で分析力もついていくことでしょう。
感想ではなく途中経過を描いていく作文の技術は、ものごとの説明に応用することもできます。
いずれにせよ、「単なる作文」が、あなたの取り組み方次第で得るものが豊富です。
大いに楽しみながら、作品をつくっていきましょう。